本間宗久

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本間宗久・・・第15章「天井値段後の下げ相場」

天井値段後、通いにて下げ相場は月頭に上げ、月末には二十九日晦日迄に二~三十俵、三十~四十俵あて、定めて下がるものなり、疑いなし。天井を打った後の下げ相場は、月の頭に小戻りすることが多いが、月末にかけて2~30俵、30~40俵決まって下がるも...
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本間宗久・・・第14章「高下は天性自然の理」

「米の高下は天然自然の理にて高下するものなれば、極めて上がる下がると定め難きものなり。この道不案内の人は迂闊にこの商いをすべからず」 米相場の上がったり下がったりするのは、天候や人気など天性自然の理に基づくものだから、必ず上がるとか下がると...
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本間宗久・・・第13章「天井うち後の動き」

「天井値段後の下げ相場は五六カ月の間、一カ月十俵より三四十俵、毎月定めて下がるものなり。しかれども、その時の模様にて、三か月下げ、四か月目上がる事あり。又五ケ月目より下がることもあり。六カ月皆下がることもあり。この事は天井値段出で、五六日十...
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本間宗久・・・第12章「冬中天井は六月急下げ」

冬の間に天井を付けた場合の話です。「冬中天井値段後の下げ相場は四分半不作年は、翌春迄人気張詰め下らざるなり。船々買急がず、土用中照り込み、田作り見事、御倉米出不足、船不足かたがた、人気悪しくなり、六月急下げになるなり」 不作の年は翌年の春ま...
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本間宗久・・・第11章「行付天井値段」

数か月上がったり下がったりした後の相場についての話です。「天井行付値段というのは数月の間高下あり、段々五六俵も引上げ、その後上ぐべしとも下ぐべしとも知れぬようになり、又毎日十俵宛も必至必至と引上げ、売買ともに連れ落になり、大騒ぎ出る節、上げ...
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本間宗久・・・第10章「相場引上げ大騒ぎ考えのこと」

10章は人気化して天井が形成された後の戦場の事が書かれています。 「新商始めてより、段々引き上げて、大騒ぎ出て、天井値段に成り、其の日二俵三分迄出て行当り、その日の内に狂い、三俵二三分迄返す。この日の二、三部に心を付け考う可し。この米、又一...
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本間宗久・・・第9章「不作年掛引のこと四法」④

「但し、その他氏の底値段より起き上がる米は、五俵下げては十俵上げ、十俵下げては二十俵上げ、往来して、八、九、十、十一、十二、正月迄に天井値段出ると心得るべし。此の天井になり極く不作年は、二三カ月も保合い下らざることあり。正二月頃より、少々宛...
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本間宗久・・・第9章「不作年掛引のこと四法」③

「さて、霜月限新商、古米並びに其の年の作の見聞釣合を以って、五、六十俵より百俵安に商出初めてより、大概、四五十俵下げ稀なり。其の年の作の見当を以て商出る故、累年十俵より二三十俵位の下げにて、其の年の変により上に向くなり。上方当地、不作天災等...
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本間宗久・・・第9章「不作年掛引のこと四法」②

「当地、六、七月不順にて、稲尺なく田の中窪み元薄く共、六月末方より七月廿日頃迄に照り続く時は急に見直し上作の方になるなり。又六月より八月までの間、大風、洪水、虫付等の天災浅深に能く能く気を付くべし。此の事、当地は申すに及ばず、九州上方専らな...
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本間宗久・・・第9章「不作年掛引のこと四法」①

9章は4つのブロックに分かれている。今日は①を。 「当地、六、七月雨勝ち涼しく、時候冷々しく、天気稀なる年は、此の方近国共極めて不作なり。又九州、四国、中国、五畿間、東海道、奥筋共、天気作合年々不同なり。北国上作、西国不作、関東不作、その年...