本間宗久・・・第13章「天井うち後の動き」

本間宗久

「天井値段後の下げ相場は五六カ月の間、一カ月十俵より三四十俵、毎月定めて下がるものなり。しかれども、その時の模様にて、三か月下げ、四か月目上がる事あり。又五ケ月目より下がることもあり。六カ月皆下がることもあり。この事は天井値段出で、五六日十日許りの間、右並び値段にても、又少々安くても売り付くべし。其の月末に二三十俵決して下がるなり。朔日より四五日の間専ろ心掛け、若し商い出ずば、十日廿日過ぎ迄売るべからず。又、月の朔日より四五日頃か十日迄も、前月の安値同様、又々五六俵十俵も下がる時は決して其の月末かえって上がるものなり。此のことはよく心得べし。二つ仕舞三つ十分四つ転じて三位の秘伝なり。この心は天井より二三ケ月はたしかに下がるなり。四カ月目は急に寄り上がることあり、逸うし売方すべからずということなり。」

天井値段の出た後の下げ相場は、五、六カ月の間、月に十俵から三、四十俵ずつきまって下げるものです。しかし、それもその時の情勢で、三カ月続けて下げ、四か月目から上がることもあるし、五か月目から下げることもある。あるいは六カ月間まるまる下げることもあります。このように天井値段が出た後の処置の仕方は、五日、六日ないし十日の間に天井値段に並ぶような高値やそれに近いような値段が出たら、少々不安でも思いきって売ることです。その月末に必ず二~三十俵下がるものです。

たなぶ

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