下げ相場の辛さ

最近この3日ほど下げが大きいが、まだ下げ相場とはいえない。押し目の範囲だと思う。しかし、今現在も動揺している投資家も多いはずだ。下げてくると様々それらしい悪材料も出てくる。不安が増殖してくる。


本当の下げ相場になれば、毎日その不安や恐怖を感じ続けなくてはならない。投資家にある質問をしてみる。「あなたは毎日かなり嫌な思いをしなければならないとします。1日いくらもらえばその嫌な思いを引き受けますか？胃がキリキリするくらいの嫌な思いです。」そうすれば、10万円、20万円という人もいるかもしれない。


たぶんそうだろう。嫌な思いはしたくないし、それをしなければならないとするなら相当の保証をもらわなければ嫌だ。だが、それを投資に置き換えたらどうだろうか。現在あちこちで米・世界分散の投資信託を推奨しているが、ついぞ投資信託の積み立てでお金持ちになったという人を聞かない。それは、途中で売ってしまうからだ。


長期投資をすれば暴落につかまるのは当然だ。それを年単位で受け続けて、得られるリターンは５％程度。毎日嫌な思いを暴落時に受け、10万、20万などという感覚の人は、そもそも「ペイ」しないのだ。だから、売ってしまう。人は毎日を平和に生きたい生き物なのだから。


だから、相当の精神の鍛練をして、下げ相場にも折れない精神の方だけが、「５％」運用の栄光に輝けるという仕組みだ。もう一度、自分はそんな鉄の精神をもっているか、毎日胃のきりきりする嫌な思いをするのに、千円や数百円でも受けられますという考えなのかを自問自答してみてはどうだろうか。


精神の鍛練なくしては、長期投資はうまくいかないのではないか。



たなぶ