山崎種二・・・ツナギ売買②

自叙伝「そろばん」で山種は朝鮮戦争停戦での戦後不況が来ている中で、戦争再燃を期待しての不景気の株高の状況で東京海上を売りあがった。


手持ち現物の詳しい話は無いが、600円台から売り上がり空売りをしていったとある。つまりツナギ売りの範囲を超えて、オーバーヘッジをしていったのだ。しかし、株価は2000円近くまで上がり、山種も困り果てた。しかし、不景気の株高は何かのきっかけで崩れる。割高を売るのに変更はない。


そうしているうちに「スターリン死亡」の一報が流れ、戦争は遠のいたとして株価は暴落。三か月で株価は500円を切るまでに下がった。山種は大量の売りポジションを買戻し、さらに東京海上の現物買いを行い、所有比率第2位の東京海上大株主となったと書かれている。


まとめとしては、

① 割り高を売った。
② オーバーヘッジも行った。
③ 売り始めて3倍になっても売り続けた。
④ 急落で買戻し。
⑤ 下げで取った利益で現物を大きく買い増しした。


という流れになる。10%上下で利確・損切りなんて雑誌もあるが、山種はそんな小波を見ていないことがわかる。見ているのは、相場の大きなな「波」である。

正直、私も3倍になったらもたない思うが、以前言ったように当時は信用売りで日歩がもらえるなど、売り有利な構造があったと思われる。

相場師は大きな波と崩れない信念で相場をやっていたことがわかる。だが、私などは小物なので、とてもこんな大相場を取ることは出来ない。
次回は、小市民の私のツナギを少々紹介したい。


                                  たなぶ

コメント

タイトルとURLをコピーしました