本間宗久・・・38章 心不定動く

本間宗久

「米上ぐべしと思えども、もし此の間に一と下げ出ることも無心許見合候節、少々上げる時はさてこそと思い、下がればさてこそと思う。是一体心不定動くなり。跡相場にて考うる時はあの上げ売、此の下げ買えば、上げ下げにて、取ること。心安く思われるけれども、高下を取ること稀なり。一両月も跡見合せ、一度の上げか下げかを取る考えをなすべきなり。上下を取る心にては、年中休みなく、相場に連れ、心動き騒ぐものなり。それ故出るなり。」

この相場は先は高い考えていても、それまで一下げあるかもしれないと思って見送っていると時に少し上げ始めると、やっぱり相場は高いと思う。逆に少し下げ始めると、やっぱり買わなくてよかったこの相場はまだ下げると思うものだ。このように思うことは心がひとつに定まっておらず、目先きの人気に一喜一憂するから起こるのであって、これでは成功はおぼつかない。あとから振り返ってみると、あの高値で売って、この下げ局面で買えば上げ下げ両方とれたと簡単に考えますが、実際やってみると上げ下げ両方取ることは極めて稀であり、欲張らずに上でとるか下げでとるかどちらか一方に決めて対処すべきです。上下両方取ろうとすると、年中休まるときなく相場に関わり心の休まる時もなく心労が募ります。時々休みは必要である。

※ この章は相場で上下両方とろうとすることを戒め、休みを入れる事の重要性を説いています。私は基本ツナギ売買なので、現物をもって長期保有して、売買は売りのみになります。また、あまりに加熱したときはほとんどの銘柄に売りツナギして「蓋」をして休みを入れることもあります。本間宗久によせて話すとこうなりますが、宗久も相場に集中することが大事だということ、「心」の安定の重要性を説くところが納得のいく章です。

たなぶ

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