インデックス投資への疑問

投資初心者向け

あちこちで長期・積み立て・分散・インデックスの話が溢れているが、いつも疑問に思う。確かにその通りなのだが、ほとんどの投資家は長期で保有できない。株価が下げ相場になると積み立てを止めたり、売ってしまったりする。投資信託の平均保有期間は2年半ほどとの事。長く持てばプラスになります、という事にはちゃんと裏付けがあるのに、なんで売ってしまうのだろうか。

それはこの話に「心理的コスト」が含まれていないからだと思う。例えばおいしいご飯を食べたらそれに見合うお金を払います。逆にいい仕事をすれば対価としてお金を貰います。通常、サービスや「何か」があった場合、それに見合うかどうか、人は判断します。働いても給料がもらえなかったら、みんな会社を辞めるでしょうし、美味しいものを作ってもお金を貰えないなら、作る人はいなくなります。

さて、投資に話を戻して株や投資信託が上がれば利益なのだから資産的にも心理的にも得るものがあり、なんら問題ありません。ですが、下げ相場になったらどうでしょうか。「下がる事への対価」は何でしょうか。将来また上がる事でその下がる「心理的損失」を回復出来るのでしょうか。「将来上がる」と言われても今下がっている事への損失が大きすぎて「割に合わない」から投資を止めてしまうと思うのです。

分かりやすくいうと、「1日かなり嫌な事が起こる事にあなたはいくらもらったら請け負いますか」という質問になんと答えるだろうか。1万円だろうか10万円だろうか、100万円だろうか。1万円なら年間365万円だ。しかし、相場の下げ期間は1年とは限らず2年3年と続くこともある。得られる利益は、あなたの心理的損失を上回る事が出来るだろうか。下げ相場で自分の資産が毎日毎日削られていくのを見るのは本当に嫌なもので、それを長期間味わうのは1日1万円でも割に合わないだろう。長期で5~7%の運用が出来ましたと言っても、その利益は心理的コストを上まわれない。

結局、人によっては投資はプラスになるのかもしれないが、心理的コストを上まれず「割に合わない」こととなってしまうのではないだろうか。だからみんな売ってしまうのだと考えられる。そしてこの心理的コストは、投資経験が長くなり相場変動になれる事で下げることが出来る。また、ツナギなどでも軽減することが出来る。ただ何も考えず、長期・積み立て・分散・インデックスで投資している人は、下げ相場で割に合わない事をしていると言えるのかもしれない。

心理的コストについて、もっと考えられてもいいように思う。

たなぶ

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