さて、私は色んな銘柄を売買してきましたが、物覚えもよくないので昔のことは忘れています。しかし、最初の銘柄は覚えています。それは「資生堂」でした。なんで資生堂?と今にしてみれば思うのですが、当時は前回書いたテクニカル分析でゴールデンクロスが出ていたことや、TVコマーシャルで誰もが知っている大企業だったこと、そして何より「女性が化粧をやめるはずがない」というわかったようなことを考えたのを思えています。この程度で株を買おうというのですから、若気の至りというのは凄いものです。しかも確か私の投資可能資金は、がんばって貯めた貯金130万円ほどだったのですが、当時の資生堂の株価は1100円台で当時は1000株単位でしたから、110何万円かの投資を1銘柄でしていたのです。分散投資も知らず、企業分析も知らず、ましてや数百円のテクニカル分析本を読んだくらいで集中投資をしたのでした。まさに「勝負!」という感じでした。
買った時の興奮たるや凄かったのを覚えています。証券会社の窓口で大金を支払い株を買いました。これまで証券会社に出入りしていた若造がとうとう株を買った瞬間でした。受付のお姉さんは、たんたんと手続きをしてくれましたが、内心は止めたらいいのに、と思っていたのかもしれません。その日は夜も興奮してなかなか眠れませんでした。というより恐怖がだんだんと膨らんでいきます。(損するのででは?)という思いが膨らんでいくのです。翌朝も早く起きて、当時取っていた読売新聞で終値を確認しました。「上がっている!」少しですが上がっていたと思います。記憶があいまいですが、この時期は1991年初頭のように思います。春にはなってなかったように思います。資生堂の当時のチャートが手に入らないので、日経平均でみると当時は暴落からの小康状態の時期でした。含み益が出たことにものすごく喜んだことも覚えています。買った翌日か、翌々日に工場の二直勤務前に証券会社に行きまして、掲示板の前の椅子に座りました。(俺も一人前の投資家だ。しかも勝ってるぞ!)という馬鹿な態度だったと思います。
ですが当然ですが株価は上下します。毎日何万円もの上下をするのですから、当時の私は相場の変動感覚がまったくできてませんので、精神を揺り動かされ続けます。それでもほとんどボックスの動きでしたが、私は1週間もすると疲れてしまいました。まさに恐怖と欲望に揺るがされていたのです。含み益が減ると(損するのではないか・・・)という思いと(あの時売れば良かった)と、直近の高値の含み益で売らなかったことを後悔します。そもそも長期投資しようと思ってませんし、投資戦略も何もなく買ったのでどうしていいか分からなくなります。相談する人もいません。「これからどうなりますかね。」なんて顔なじみになった証券会社の受付情勢に聞きますが、答えをくれるはずもありません。こう思い出すと、本当に初心者にもほどがあるという状況でした。そして2週間がたとうというときに疲れた私は株を売るのです。株券を証券会社に持ち込んで売りました(当時はまだ株券があったんです)。1万数千円の利益が出ました。まさにビギナーズラックというのでしょう。
私は「これが投資か!」と有頂天でした。給料や学生時代のバイト以外でお金を稼いだのが初めてだったので、本当に嬉しかったのを覚えています。儲かったお金で私はGショックの腕時計を買いました。気持ち的にはパチンコで勝った金で記念品を買うような気分で、本当に浮かれてましたね。今にして思えば最初に損から始まれば、その後の地獄を味あわなくて済んだのにと思いますが、パチンコも最初に勝った人ははまると言いますが、私は「株式投資に」嵌ってしまったんですね。私は売った金の大部分は証券会社の中期国債ファンドに入れて、次の銘柄を探すことになりますが、とにかく最初の思い出が強すぎて今でもよく思い出します。最近は資生堂も低迷してますが、一時は9000円台の株価も付けましたので、この時売らず何年も持っていれば別な投資が出来たと思いますが、私は「投資極意は得た!」と思い込み、次の投資に向かうのでした。
その後私はNTT株に手を出しますが、ここで相場の洗礼を受けます。次回「初心者たなぶの投資記録(4)・・・NTTを買う」乞うご期待~。


コメント
次回、凄く楽しみですよ😊
隊長さん、だんだん恥ずかしくなってきました。。。