「弱気にて売り方に向く時、了見違い、少々宛不利運になることあり、その節売り平均せんと上げかかる米を段々売りこむことあり。はなはだ心得違いなり。相場にさからい宜しからず。慎むべし。買い方の節も同じ心持なり。思い入れ違いは早仕舞い、行付を見る可し。」
強気から弱気に転換して売り方になったときに、思惑が外れて損になることがあります。こんな時に焦って売り難平して売り上がることがあるともいますが、これは心得違いというものです。相場に逆らってもうまくはいきません。このような行為は慎みましょう。買いの場合も同じで相場の流れに逆らわず間違ったときは手仕舞って相場の動向を見る必要はあります。
※ 相場に逆らった難平に対する戒めの章でした。本間宗久は「相場とけんかしない」という相場の基本を大事にしていたことが分かります。人は損をしたくない生き物です。損をすると損切りではなく、難平に走り「早く損を取り戻したい」という心理になり、さらに損を広げるのは相場ではよくある事です。でもこれをやっていては、相場で成功は出来ません。肝に銘じましょう。
たなぶ


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