本間宗久・・・第25章 利喰い腰を強く

本間宗久

「底を見極め買付け、余程の利分付候節、相場、保合い候か、又少々引き下がることあり。その節利足勘定等致し、先達上げの節返さざるを思うことあり。はなはだ心得違いなり。底を買出す時は落引なき前に、決して売らざるものなり。底の買い上げ、落になる迄買重ねるものなり。心得べし。」

底を見極めて買った相場が順調に上がり、かなり利が乗ってくると相場は保合い若干下げる事がある。こんな時に利足(現在の信用取引の日歩)を一生懸命計算して「あの高いところで売っておけばよかった」と思う時があるが、これは心得違いだ。この相場はこの辺まで高いとみな底値段を買うわけですから落ち引がない前は、なまじっかの所では売らず、むしろ買いますことが大事だ。よく心得ることだ。

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