リバモア流投機術(3)法則を使う方法について

ジェシー・リバモア

前回、リバモアは相場のアイデアが浮かんだ場合に過去の膨大なデータでの検証を行うこと、そして常に相場にいてはならず利益が出せる時だけにいるべきだという彼のスタイルについて書いた。現在多くの投資家が「いつ上がるか下がるかなんてわからない」という前提で長期積み立てインデックス投資をするのとは、真逆のスタイルだといえる。相場の動きをつかむことが彼にとっての相場で、自分の好きなボールが来るまで絶対にバットを振らない野球選手にも似ている。さて、相場法則についてのアイデアが出て、過去データの検証が終わったとしよう、だが彼はまだ相場に参加しない。リバモア曰く「相場変動に関する自らの見解を持たなければならない」という。

それは正確に相場を予測する根拠が必要ということだ。法則が分かったとしても、今度は自らその法則を使い相場を予測し、「実際の相場でその法則が証明されるまで」相場に参加することは出来ない。相場の実際の動きでそのアイデアが実証されるまでは、手を出すなということだ。リバモアは、相場の動きに最新の注意を払うこと、そして「相場は決して誤らない」という考えを持っている。この点は、「相場は常に間違っている」というジョージ・ソロスとは真逆の考えだが、相場は常に正しく投資家は間違えやすいというリバモアの考えには賛同できる方も多いのではないか。

リバモアが例を述べている。ある銘柄が22~28ドルで推移していて、あなたは50ドルまでこの銘柄が上がると考えている。現時点で25ドルでもこの銘柄を買わず、新高値を付けてから買いに出るのがよいというのだ。今回のまとめ、①法則を見つけてもすぐには取引してはいけない。②法則通りに実際の相場が動くか確認する。③その後、自分の思う方向に相場が動き直近高値を抜いたら相場に参加するというトレンドフォロアーの手法であること。リバモアが相場を敬い慎重で、数字・分析を大事にして、逆張りというよりトレンドに乗る手法だった事が分かったと思う。

次回はリバモア流投機術(4)「大儲けに至った投機」についてです。

たなぶ

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