ロスチャイルド

相場について

今読んでいる本が、「富の王国 ロスチャイルド」池内 紀 著 です。なかなか面白い。元々、ドイツで金貸しをしていた初代マイヤー・アムシェルが、商号と性として「ロートシルト」を名乗った。ドイツ読みでロートシルトで、フランス読みでロッチルド、英語読みでロスチャイルドとなる。


ヨーロッパ各国に一族を派遣し、各地で情報を集め商売を拡大していくのは、ユダヤ人の商才を感じる。ロンドンの支店では、ナポレオンがワーテルローの戦いで敗戦した情報を伝書鳩を使いいち早く仕入れ、まず逆のナポレオン勝利の情報を流して相場を暴落させ、そこを買いまくりその後本当のナポレオン敗れるの報で爆上げさせ大儲けした話は有名だ。

この話は面白いし、ナチスドイツがユダヤ人攻撃の際に「卑怯な事をして金儲けをしている」とのプロパガンダに使ったので、広まった話だろう。人は好い話より、不正や怒りの感情の多いニュースに関心を示しやすい。ナチスの宣伝大臣ゲッペルスもよく考えていたのだろう。


この本には出てこないが、英国ロスチャイルドが基礎を作ったのは、銅の鞘取りだったと言われている。大量の銅の現物を持ち、先物を売り続けていく。銅は金銀よりも当時サヤが大きく、有利だったとの事。家業としてロスチャイルドは鞘取りをしていたというのは興味深い。

これまで個人や企業、国に金を貸して資産を作ってきたロスチャイルド家だったが、市場から収益を得る仕組みを作り上げたのだ。鉱山を抑え、大量の現物を持つ。そして先物の期先を売り続けることで、鞘を取っていく。ローリングとも言われる。先物市場でこうして鞘で稼ぐ連中をヘッジャーという。反対に買いに向かう連中をリスクテイカーという。

そうなのだ。「買いとは」リスクテイカー、ギャンブラーの事なのだ。多くの株や投資信託が世界にあるのも、ヘッジャーの為にリスクテイカー・ギャンブラーが必要だから、といったら言い過ぎだろうか。つまり、株や投資信託を買い続けているあなたはヘッジャーの為に買わされ続けている・・・といえなくはないだろうか。今一度、考えてみて欲しい。


たなぶ

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