投資信託の保有期間と投資家心理

相場について

最近相場を始めたばかりなのに、損切だの利確だのと言っている投資家がネットでも私の周りにもいます。どこかの金融機関が「今は相場が高いので今のうち利確して、また下がっていたら買いましょう」などと説明しているらしい。私の会社にも「便利なアプリと投資情報」の説明をしに、企業DC・確定拠出型年金の管理会社が来ていた。私は参加してないがカモが参加していたようで、「とってもわかり安いスマホアプリで、儲かってたから売っちゃった。」と嬉しそうに言う女性同僚がいたが、何のために無料でアプリを配っているのかとか、何で無料で人を派遣して無料で情報を教えているのかは、考えないらしい。うがった見方と怒られるかもしれないが、アプリを配っているのはしょっちゅう価格を見させるためで、情報は今が過熱感のある相場が高いところと教えるためらしい。いつも価格を見る人は必ず色々考えだし、「売買」する。相場が高いといわれた人は「これから下がるかもしれない」と売りを考える。どちらにせよ彼らが無料でアプリ開発してばらまき、情報を宣伝しているのは「売買」させて信託財産留保額という名の手数料を得るためだ。こんなせちがない世の中で、無料でアプリ開発や配布、そして人件費を掛けて各地に情報をばらまくのは、ひとえに手数料を稼ぐためだ。

長期投資が良いといいながら、投資信託の平均保有期間は3年ほどしかない。これは日本だけでなくアメリカも同じだ。結局人間は損をしたくない生き物で、プロスペクト理論で有名だが得より損を避ける傾向が人間にはある。だがら長期投資は非常に困難な投資法なのだ。言ってしまえば、人間の欲望に反したことを長期に行わなくてはならない。私はいつも「投資とダイエットは同じ」と言っているが、まさにダイエットが出来ない人は投資も上手にはならないだろう。有名な投資家や投機家で肥満の人はあまりいないように思うのは、私の片寄った見方のせいだろうか。一度、あなたも考えてほしい。長期投資で分散された手数料の低い投資信託を積み立てていく戦略は、非常に優れた投資法だ。そもそも再現性があり、初心者でも実施可能だ。だが、継続可能かどうかはその投資家次第なのだ。長期投資は下げ相場に必ず出会う。場合によっては株などは半分になったりもする。それも継続できるかどうかは、やはり投資家次第ということになる。繰り返すが長期投資で分散された手数料の低い投資信託を積み立てていく戦略は非常に優れた投資法で再現性もあり、もう一つ言うならほとんど何の勉強もせずとも出来る。相場研究する時間は忙しい現代人にはない、だからこそこの手法が選ばれるべきだが、ただし何も勉強しない人が、資産が下がっていくのを長期間我慢できるとも思わない。それが、平均保有期間3年の正体だと思う。ある程度の相場のリテラシーは必要だと思う次第である。

たなぶ

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