ジョゼフ・ケネディの話

相場について
先日会社の同僚のおばさんに「投資しようと思っているの。あたし50才だけど意味あるかな。勉強はしてて、s&p500かオールカントリーにすればいいの?」などと質問を受けた。正直、こんなざっくりな質問に答えられないので、苦笑いしかできなかった。「余裕資金でやればいいんでしょ。」「15年以上持てばそんしないんでしょ」など、今のネットで溢れた情報を詰め込んだらしい。
私の回答はこうだ。
「何の専門的な勉強もしたことなく投資するならインデックス投資を選ぶのは悪くないけど、10年に1度半値になることは覚悟した方がいいよ。」
というと顔色が変わる。続けてこういいました。
「投資信託の平均保有期間って3年くらいですよ。みんな長期投資がいいっていいますけど、ほとんどの人はそんくらいで売っちゃうんです。何故だかわかりますか?」
「わかんない」とおばさん。
「長期投資というのは下げ相場と付き合う事なんです。上げ相場の時は毎日儲かってうれしいかもしれないけど、下げ相場は自分のお金が無くなるのを毎日毎日見なけばならないから、心が病みますよ。」
「見なければいいじゃない。」
「必ず見ますよ。相場はダイエットと同じです。ダイエットを簡単にできるって人じゃないと、下げ相場で耐えられませんよ。ダイエットは苦も無くできますか?」
「・・・」
「上がる事ばかりみんな考えて投資始めますが、長期投資すれば100%下げ相場にもあたります。損することはみんな考えないんですよね。」
「・・・・・・」

そして私はある話を思い出していました。ジョン・F・ケネディ大統領の父で相場師のジョゼフ・ケネディの話である。彼は1929年のNY株価暴落の前、靴磨きの少年が彼の靴を磨きながら「〇〇の株が上がりますよ」という話をしているのを聞いて、「こんなシロートまでが投資をして、相場の予想をしている。もはや相場は撤退時だろう」
こうしてジョゼフ・ケネディは持ち株を全て売り、暗黒の木曜日から始まる株価暴落を免れたのだ。
今のたなぶの気分も同じだ。
経済も金融も相場の知識のない中年女性すら投資をしようという今は、撤退時だと思えたのだ。
来週も換金売りとツナギ売りを続けます。


たなぶ

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