本間宗久・・・33章 夏中冷気強きとき

本間宗久

「夏中、時候悪しく雨勝との年は、自然の不作と心得べし。夏中冷気強く、虫不洪水大風等天災有之時、油断なく六月~七月より相場安き間買入るべし。六~七月順気よく、早続き、上作の取沙汰。一分の見聞にも上作と見ゆる年は買急がず。八~九月専ら年の買場なり。月頭月頭買うべし。但し九月は少々遅るる方なり。八月専らにすべし。上作年にても、年々九、十月より上がるものなり。又六月末七月中旬までも、何十年になき上作と沙汰し候共、何等のこと出来て、多少に限らず達作になるものなり。少し申し分けなく取収ることはごくごく稀である。」


夏の間気候悪く、目の多い年は不作になるのは自然の理である。夏の間、照り込みがなく虫が付いたり洪水や台風など天災のある年は不作になり、相場も先行き高値になるから油断なく六月~七月頃から相場の安いところを見計って買っておくべきです。逆に六月~七月の天候が順調で豊作豊作と騒がれる年は、慌てず八~九月、特に八月の月初めに買うのが良い。六~七月頃までこれは何十年ぶりの豊作といわれても、その後何かの異変など起きて収穫が狂う事があります。初めの予定通り寸分の狂いもなく収穫が出来ることは稀なことであると考えて、相場の見通しを立てる事が必要だ。


たなぶ

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