本間宗久・・・第28章 利運の節、心得方のこと

本間宗久

「商利運し仕当る時、先ず大概に致し、取留るものなり。その節一両日休むべし。この休むことを忘るる時は、何程利運に向きても、商仕舞いの節は決して損出すべし。勝に誇り、百両の利は二百両取る気になり、千両二千両の気移り、欲に迷打て見切りかね、損出るなり。これ欲より出て迷う成り。不利運の時は尚以っての事なり。その時の見切り大切のことなり。慎しみ心得べし」

相場が思い通り運び利が乗った時、ほどほどの所で利食いするのがよい。そして利食ったら一両日休むことが大事だ。この休むということを忘れると、南海かの利食いのチャンスが来ても結局は最後に損をするものだ。相場に当たったことを良いことに調子に乗り休むことを忘れ次から次に仕掛けて、百両利が乗ればもう百両と強欲をかくようになる。こんな時、往々にして相場が急落する。欲に迷って損切も出来ずに結局は損勘定になる。見込み違いをして損になった時は、なおのこと欲に迷わず思い切って投げるべきだ。

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