売玉というもの

投資初心者向け

初心者向けの記事です。ツナギの話を何度も書いてますが、そもそも投資で売玉を立てるという事がわからないという方も多いと思う。相場の売りには現物売、空売り、ツナギ売がある。現物売りは持っているものを売る事。つまり株や投資信託など持っているもを売る事だ。これは一般的なのでわかると思う。次に空売りですが、これにカラ、持っていないものを売るというものだ。例えば株を100円で売り、50円になれば買い戻す。差額50円が利益だ。株であれば信用取引で売るか、ベアファンドを買うか、指数であれば先物取引の売り、他ではプットオプションを買うなど相場の下げを取る方法も様々だ。

ツナギ売りは何度か説明したが、例えばAという株を持っていて相場が過熱して割高で今後下がると思うとき、あるいは相場全体が軟調で下落リスクがあるときに現物を持ちながら信用取引で売りを立てる。こうして下落のある程度の時点でもう十分割高分がはがれたと思ったら買い戻す。100円の株をツナギ売りで2円でもツナギで取れれば、50回やれば「買いコスト」はゼロになり、時価そのものが利益になる。これはコストダウンの売りといわれる。

ツナギについてはまた細かく説明することもあるともうので、今回は売りについて説明したい。ともかく上げる相場は買いで下げる相場は売りでとる以外にない。もちろん、近年「売った買ったせず長期でインデックスを保有した方がいい」という話が主流だが、計算的にはその通りだ。年5~6%平均で長期でプラスになるのは過去の数字で明らかだ。間違いなくプラスになる。しかし、私はこの話に否定的だ。この話には「心理的コスト」が加味されていないからだ。

皆さんも楽しいところに遊びに行くだろう。飲み屋でも映画館でも、ディズニーランドでもどこでもいい、遊びに行ってお金を払う。楽しい事にお金を払ってでも行きたいのは不思議でもなんでもない。では逆はどうだろう。毎日嫌なことが起こるとして、あなたは「タダ」で受けるだろうか。大体の人に「毎日すごく嫌なことがありますが、いくらもらったら耐えられますか。但し身体的な痛みはありません。」と聞くとどうだろうか。1万円や人にとっては5万円など様々だろう。でも500円や1000円ですごく嫌なことを引き受ける人はいないのではないか。

この嫌な事というのは「下げ相場」の事だ。下げ相場は自分の資産がどんどんと下がっていく、場合によるが年単位で何年お下げることもある。その時、この毎日欲しい金額の合計は大変な額なのに、実際にもらえる金額は数%なのだ。この心理的コストを無視して、長期で持てば数%プラスになるという話をしても割に合わないというのが私の考えだ。私もバブル崩壊後の91年から相場をやっているが、下げ相場は本当に嫌なものだ。昨年のコロナショックは1か月程度のまさにショックであり、下げ相場とは言えないと思う。

よく私は相場はダイエットや禁煙に似ていると何度も言ってきた。つらいことは続かないのだ。だから大体の人は、下げ相場の途中で投げ売りしてしまう。100円あげるから1発殴らせてくれといって殴らせる人はまずいないだろうが、1000万円上げるから1発殴らせろといえば大勢集まるかもしれない。対価が痛みを超えれば割に合うわけで、合わなければ誰もやる人はいないのだ。繰り返すが、下げ相場はつらいものだ。自分や自分の家族の次に大事なお金が消えていく現象だからだ。年数%の金額が割に合うのかどうか、もちろん人によると思うがまず普通の人は合わないと思う。

だからこそ、売りなのだ。買って長期に持つのはいい。だが下げ相場を100%受け止めるのは、本当に出来るかどうか今一度考えてみてはどうだろうか。あなたはダイエットや禁煙が簡単に出来る人ですか?それすらできない人は、まず下げ相場で投げる事になると思う。売りをショートといい、買いをロングといいます。まさに買いで長く持ち、売りで下げに保険を付ける。大事だと思うが、如何でしょうか。

たなぶ

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