「高下有之其後保合いの節、何となく弱く見え、いろいろな考え、諸方引合わすといえども強みはみえず、此の間に、是非、是非、二~三十俵方も引き下ぐべき模様故、ここにて売らずんばあとれになるべしと、頼りに売気進み立ち候節、気を転じ買方に付くべし、是伝なり。我至って、弱気にて買い方に付くこと、はなはだ危く、ならぬことなれども、此の書を守り、一分の在意を立てず買入るる時は、極めて利運なり。是非上ぐべしと買気進み立ち候節も、是又気を転じ売るべし、米商の秘伝なり。常々、此の心持ち忘るべからず。我強気の節は人も強気と思うべし、弱気の節も同じ。」
相場が上に下にと荒れ、一段と下げた所で保合いになった時、何となく相場の先が弱く見え、周りの意見をいろいろ聞いても強気の意見はなく、先行き2~30俵は間違いなく下げそうな模様であるからここで売らなければ相場に乗り遅れるとばかり、売り気にはやったりする。しかし、こういう時は気持ちを切り替えて逆に買いに出るべきだ。皆が弱気の時、逆に買っていくことは勇気がいることではあるが、これを実行してこそ成功するのであり、これが秘伝です。それとは逆に先行き絶対上がると皆が皆買いに走る時は、やはり逆に売りを行うべきです。常々この心がけを忘れてはいけません。自分が強気の時は他人も強気だし、自分が弱気の時は他人も同じ心境になっているものです。
本間宗久・・・45章 気を転じる事
本間宗久
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