本間宗久・・・第3章「大騒ぎの折、火中へ飛び込む心持ちのこと」

本間宗久

第3章にはこのように書いてある「米、段々上がるとき、諸国不時申出し、大阪相場も加え、跡も引き上げ候沙汰、御蔵米など申し立て、益々上げ、人気も強く、我も買気に付候節、心を転じ売方に付候事肝要なり。是すなわち、火中へ飛び入り思切り、一統騒ぎ立つ節は、人々西に走らば、我は東に向かう時きわめて利運なり。」


相場が過熱化すると、あちこちで参加しようと騒ぎになる。備蓄米が少なくなり、今が買い時だと相場に人が殺到する。こんな時に宗久は、火の中に飛び込む思いで売り方に回れといっている。皆が皆、西に行けば自分は東に行く。人気の逆に行くことが利運への道だと説いている。


この記述からも、宗久は逆張り型の相場師だったとわかる。そして、相場の最終転換点を最も儲けられる所とみて、勝負するスタイルなのだ。現代風に言えば、特定化株が人気化した時に、その天井を見て下落で仕掛ける。


また、下げの最終局面で多くの参加者が「投げ」を打ち、相場が暴落しているなかで、まさに昨年のコロナショックのような時に、猛然と買いに出る。そんな姿が目に浮かぶ。日本人はみんなと同じ行動をとりたがるが、それではいけないと本間宗久は言っている。


たなぶ

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