本間宗久・・・第20章 保合い上放れのあと

本間宗久

「大高下も過ぎ、天井値段後、相場保合い、上か下か見合いの時、なんとなく上方相場など含み、少々景気付候時は人々買気なり。その節決して売り場なり。これは通り相場にて、上げては下げ、下げては上げ、過分の高下もなく幾度も通うものなり。右人気と通いの相場に心を動かさず、天井と底とを考うること第一なり。但し、大高下もなく、底にて保合い、自然と起き上がる米は売らざるものなり。段々買い重ねるものなり。これは通り相場には無之自然と起き上がる相場なり。」

急騰、急落という乱高下を経て大天井を形成したあと相場は保合い状態に入る。この保合いが上に放れるのか下に放れるのか気迷いになったとき、大阪の動きなどが当方に入り少々景気づいてくる。そうすると人々の買気は強まり騒ぎ始め、これは保合い放れかもと買い気が乗る。だがここは買い場ではなく絶好の売り場である。つまり大天井のあとの二番天井というわけだ。底値圏で相場が保合い、ここから徐々に上がってきた相場は売ってはいけない。逆に買い乗せで対処していくところだ。

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