リバモア流投機術(6)資金管理

ジェシー・リバモア

リバモアは資金管理についても述べている。まずは管理は必ず自分でする事。日本でもラップ口座など流行ったこともあったが、手数料を取られるだけでいいことなどないだろう。自分の金は自分で管理が原則だ。また、リバモアは難平も強く戒めている。どんどん難平していくなかで相場がさらに下がるプレッシャーにどれだけの人が耐えられるか疑問だとも述べている。

そして、リバモア流の資金管理で面白いと思ったのは、相場に勝った利益を現金で引き出すというものだ。著書の中でリバモアはある暴落相場で儲けた。彼はパームビーチにいた為に電信係に「私の口座に100万ドル入金するように証券会社に伝えてほしい」と伝えた。すると電信係は驚きながら「この電報の伝票を記念に取っておいてもいいか」と聞いてきたのだ。リバモアは首をかしげて何故だというと、「私はこの電信係の仕事を20年やってきています。証券会社から証拠金が足りないので入金してほしいという催促の電報は何度も打ってきましたが、あなたのように自分の口座に入金を求める電報は初めてなので、同僚に見せたいのです。」との事だった。

相場で勝てば「次は2倍を目指すぞ!」とばかりに金を引き出すことはしないし、負ければさらに金をつぎ込むので口座から金を引き出すことはほとんどの投資家はない。だがリバモアは「投機家が幸運にも資金を2倍にできたのなら、半分を引き出してたくわえにすべきだ。」といっている。非常に興味深い。人は資産が大きくなれば当然ポジションも大きくなる。それはいつ破綻してもおかしくない事を、リバモアは知っているのだ。そして急いで金持ちになろうとしてはならないと戒めている(バフェットと同じことを言っているのが興味深い)。

これを日本の相場師の言葉にかぶせれば「休むも相場」ではないだろうか。日本の相場師たちもひと相場終わると丸(ポジションゼロ)にしてしばらく休みに入る。かつて相場師の中では買った金で豪遊した話も多いが、そうでなくとも儲けた金を一度は確認しても面白いのではないだろうか。

まとめ
①難平はしない
②急いで金持ちになろうとしてはならない
③利益の半分は貯蓄に回す(どんどんとポジションを大きくしない)

リバモアのような大相場師でも慎重な考えを崩さない。いや、慎重だったから大相場師になれたともいえる。

たなぶ

コメント

タイトルとURLをコピーしました