第27章 不利運の節、心得のこと

本間宗久

「不利運の節、売平均買平均、決してせざるものなり。思入れ違いの節は早速仕舞い、四~五十日休むべし。十分仕当たる商内にても、商内仕舞い候後は四~五十日休み、米の通い考え、三位の伝に引き合わせ、図に当る時を考え又、仕掛く可し。何程利運を得てもこの休むことを忘るる時は商仕舞いの時は極めて損出ると心得るべし。但し、商仕舞い休むというは、何心なく休むに非ず。その気の強弱を離れ、日日通い高下を油断なく考うべきなり。又、前年売り方にて利運する時は又々強気に張り詰めるものなれども、これ又、前年の気をサッパリ離れその時、その年の様子、物の多少、人気の次第を考えること第一なり。」

相場が自分の考えと逆になった時は、決して売り難平、買い難平してはいけない。早々に手仕舞い4~50日は休むことが大事だ。首尾よく儲かった相場でも、いったんてじまった後は4~50日休み相場の動きをよく見て、三位の伝に引き合わせてから(天・底・中段保合い)、ここだと思うところで仕掛けるべきだ。いくら利運を得ても「休む」ということを忘れた時は、必ず損をすると心得ておくべきだ。休むといっても、ただボヤーと休めという事ではない。今迄の強弱観を離れ、動きや高安を油断なく見守らなくてはならない。前の年に売って利食いした向きはまた今年もと思うし、買いで利をおさめた人は今度も強気を張るものですが、これは失敗のもとです。前の相場ををきっぱりと捨て新しい気持ちでその時々の作柄・需給関係・人気度などを勘案して次の仕掛けに備えるべきです。

たなぶ

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